欧米ビジネス現場で注意したい地雷英語5選

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英語には、日本人にはニュアンスが伝わりにくいものの、ネイティブにとっては強い意味を持つ言葉が存在します。そして、もし同僚や上司がこれらの言葉を口にしたら、それはあなたへの不満や関係性の変化を示すサインかもしれません。

今回は、私の経験談を踏まえ、海外ビジネスの現場で「言われたら要警戒!」な5つの英単語を紹介します。

Not fair (Unfair) – 「公平でない」

「Not fair」と言われると、「この状況は納得いかない」という強い不満の表現になります。私の経験上、日本語の「不公平じゃない?」よりも、英語の「unfair」は感情的に響くことが多く、特にビジネスの場では「あなたの判断は公正でない」と指摘されているように受け取られる気がします。

交渉や評価の場面で言われると、相手の信頼を失ったような気持ちになります。

良い関係を築いていたはずの部下からこの言葉を言われた時、少し呆気に取られたことを覚えています。「聞き流して終わり」では許されない様な、重苦しいなんとも言えない空気を感じられた瞬間でした。それ以来この言葉を使われない様に気をつけてきました。

「フェア」という言葉自体は日本語としても十分認識があるので、我々も何気なく聞いたり使ったりしていそうです。

交渉などのこちらの条件を主張すべく際にあえて使うのは破壊力があるかもしれませんが、使い慣れていないと場にマッチせず自爆するケースもあるかもしれません。十分に経験を積んでから使うのが良いかもしれませんね。

部下や同僚からこれを言われた時は以下の対応が考えられます。

  • I understand why it might feel that way — let’s talk through what led to this decision.
    • 「あなたの言い分は理解できる」とし、感情を一旦受け止めつつ、冷静に対話に持ち込む。話し合いの余地を示し、オープンさを見せることで信頼を保つ。
  • I tried to make this decision based on the information and priorities we had — if there’s something I missed, I’d like to hear it.
    • 反論せず、相手の視点も歓迎する姿勢を見せる。また、「We」を使い一体感を。
  • That’s a strong concern — maybe we should step back and make sure we’re aligned on the criteria.
    • まず、相手の感情を可視化し冷静に扱え、「自分 vs 相手」ではなく、「共通基準に対しての検証」に話をシフト。

逆にあなたが使う時は

  • I might be missing something, but can you help me understand how this decision was made?
    • 日本人にマッチした言い方かもしれません。相手を責めずに「背景の理解」を求める、という論理的な表現。
    • 基本的には、「I feel unfair」の代替です。

Disappointed – 「期待外れ」

「I’m disappointed.」は、日本人が思っているよりもかなり強いショックを表します。特に、上司や同僚、目上の人から言われると、「期待外れだった」「ガッカリした」という強い否定のニュアンスがあります。聞き手のモチベーションを大きく下げる破壊力があると思います。

施策や計画が成功に結びつかない場合にも良く出てきますね。「We made every effort on this project, but the result was really disappointed. やれることは全てやったのに、この結果にはがっかりだ」みたいな言い方はよく聞くことがあります。

私の大好きな映画監督クリストファー・ノーランの「インセプション」という映画でも、物語を構成する大事なキーワードのひとつとしてこの言葉が使われていました。

引用元:YouTube

あなたが部下などにフィードバックをするときは、

  • It’s not quite what I expected, but let’s improve it together.
  • I appreciate the effort, though the outcome needs some adjustments. Let’s collaborate on refining it.
  • We’re not there yet, but I see good potential. Let’s work on enhancing this further.

など、やんわりとした”残念”と前向きな提案がセットになった表現で工夫すると良いでしょう。

Whatever – 「ま、どうでもいいけど」

「Whatever」は一見カジュアルな表現ですが、言い方次第では「ま、好きにすれば」「君の意見には興味がない」という冷たい響きになります。

特に頑張って続けてきた議論の場や会議の最後で「Whatever.」と言われると、相手の意見を軽視している印象を与え、関係が悪化することも。

映画『ミーン・ガールズ』でも、せっかく説明した内容について、聞き手が「Whatever」とそれを軽んじる表現として描かれています。

引用元:YouTube

もしこれを言われたら、その時の雰囲気から「ああ、なんか気に入らなかったのだろうな」と思える空気感になるのでこれは気づきやすいかもしれません。

一方で、英語に慣れてない我々としては「間違えて使ってしまわない様にする」方に気をつけた方が良いのかもしれません。

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散々議論した最後に、「もうあなたに任せるよ、信頼してるよ」という前向きな気持ちで “OK, whatever you like.” と少し微笑んで伝えたことがありました。

でも後から別の同僚に「あれ、良くない言い方だったよ」と真顔で言われてしまいました…。

本当は信頼して任せたかったのに、相手には「はいはい、好きにすれば?」「もう勝手にやって」と聞こえてしまっていた…。今思うと相当酷いですね・・・😭

相手の意見を尊重する表現を使うと、関係がスムーズになる様です。

  • Sounds good — I trust your judgment.
  • I’m happy to go with your recommendation.
  • Let’s move forward with your approach — I think it makes sense.

相手の提案に前向きに乗る姿勢や、任せたいという意思もしっかり伝わりますね!

Unprofessional – 「プロらしくない」

「Unprofessional」は、職場で言われると「信頼性が疑われる」 とても重い言葉です。

日本語直訳した「プロらしくない」という意味以上に、「仕事のやり方がなっていない」「ビジネスマナーを欠いている」 という厳しい評価が含まれます。

相手の人格や職業人としての価値に疑問を投げかけるように聞こえるため、使い方には注意が必要です。

例えば、「That was really unprofessional.(今のはすごくプロらしくなかったね)」「Your behavior in the meeting was unprofessional.(会議での振る舞い、プロらしくなかったよ)」

この言葉を使われたときは、「何が問題だったのか」を真剣に考える必要があります。ビジネスにおける信用を失いかけているサインかもしれません。

ポジションが上で、明確にリーダーとして指摘する場合は、

  • I think that could’ve come across differently.
  • That came off a bit strongly — maybe we can approach it differently next time.
  • I felt that the tone didn’t quite match the situation.
  • We need to maintain a more professional tone in meetings.

相手の言動を直接責めず、第三者視点を導入して「伝え方」→「伝わり方」にフォーカスしてクールダウンすると良いですね。

また、「We」を使って、個人批判ではなく、チーム全体の基準として伝えたりすると一体感も生まれつつ、相手の成長を促す言い方ができます。

Biased – 「偏っている」

「Biased」は、日本語でよく使われる「バイアスがかかっている」と似ています。客観的でニュートラルな表現として使われることが多い日本語に対して、英語では「えこひいき」「不公正な判断をしている」という批判の意味が強いです。

Unfair よりもパーソナルな印象を与え、「個人的な好みで判断した」などの意味が強調される ため、職場で言われるとかなりショックを受ける言葉です。

今だから分かりますが、以前地域ごとの販促予算配分をしていた議論で「Your decision seems biased.」みたいな言い回しを聞きました。

私が直接言われたのではなかったのですが、この時は同僚が自身の所属する地域への投資額を多めに設定しようとしていた(様に写った)らしいです。

上司や同僚から「Biased」と言われるのは、評価基準や判断の公平性を疑われているサイン。特にアメリカでのビジネスの世界では「公平であること」が非常に重要なので、こうした指摘を受けた場合は、判断の根拠を明確に伝えることが大切です。

上記の『unfiar』同様、同僚や部下から言われた際の対応を考えてみましょう。

  • That’s a serious point — let’s explore where our perspectives might differ.
    • 言葉の強さを受け止めつつも、対立ではなく 「視点の違い」 に焦点をシフトし、冷静に会話を続ける姿勢を保てます。
  • That wasn’t my intention at all — I’m open to reviewing this together if there’s any way it came across as unfair.
    • そんなつもりではなかったと意図を否定しながらも相手の感情を尊重。“came across as unfair” という婉曲表現で “biased” のトーンを和らげる。

まとめ:言葉の影響を意識しよう!

知っている単語なので何気なく聞き逃してしまう、あるいは軽めに受け止めてしまう英語でも、ネイティブの話し手からすると本当にネガティブな感情から口に出ることもあります。特にビジネスでは慎重に受け止める必要があります。

これらに気が付かずに過ごしてしまうのは、問題をさらに悪化させていることに他なりません。

逆に普段使ってしまう英語でも、ネイティブにとっては我々の意図している以上に攻撃的に聞こえることがあります。

特に、今回紹介した5つの単語は 「同僚や上司から言われたら要注意」そして「真摯に向き合うべきサイン」になり得ます。

  • Not fair (Unfair) – 判断が不公平だと疑われている
  • Disappointed – 期待を裏切ったと思われている
  • Whatever – 見限られている・無関心にされている
  • Unprofessional – 仕事ぶりが信頼されていない
  • Biased – 偏った判断をしていると思われている

海外ビジネスの場では、特にチームをリードするマネージャーとしては、こうした言葉を言われないように気をつけるだけでなく、自分が使うときにも注意が必要です。適切な言葉を選ぶことで、よりスムーズな英語コミュニケーションが築けると良いですね!

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